猫における寒冷凝集病は稀な疾患であることから、治療方法のコンセンサスはないが、まずは寒冷刺激を可能な限り避けることが重要となる。寒冷凝集素病に対する治療として犬ではペントキシフィリンが用いられ(Miller, 2013)、猫においても同薬剤は使用可能(100 mg/head,q
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CQ 95: 寒冷刺激が原因となり、猫の耳介辺縁の壊死病変が誘発されることはあるか?
稀ではあるが寒冷刺激が原因となって耳介辺縁の壊死が誘発される可能性があり、寒冷凝集素病の可能性が報告されている(Godfrey, 1994、Bridle, 1998、山口ら、2003)。参考文献Bridle KH et al. Tail tip necrosis in two litters of Birman kittens. J Small Anim Pract.
CQ 93:犬の皮膚型リンパ腫が外科手術単独で寛解するケースは存在するか?
外科手術単独により寛解が得られた症例の報告がある(Brian, 1989)。したがって、外科手術による切除後は皮膚病変および体腔内臓器に対する定期的なモニタリングを行いながら、無治療で経過観察することも選択肢であると考えられる。ただし、外科手術によりマージンが確保
CQ 91:犬の皮膚型リンパ腫の免疫表現型はT細胞性とB細胞性のいずれが多いか?
表皮向性皮膚型リンパ腫は通常T細胞性である(Miller, 2013)。教科書的にはB細胞性の表皮向性リンパ腫は稀と記載されているが、近年の報告(148例報告:Chan, 2017)および過去の報告(Moore, 2009、Magnol, 1996、Moore, 1994)でもB細胞性の症例は0頭であり、犬のB細胞
CQ 90:猫における無症候性の肝障害に対してS-アデノシルメチオニン(SAMe)の投与は有効か?
現時点でS-アデノシルメチオニン(SAMe)の有効性を示すエビデンスはない(CQ89も参照)。ただし、健常例においては全身性または肝臓における酸化障害を減弱する可能性があることが報告されている(Center, 2005)。 参考文献Center SA et al. The effects of S-adenosylm
CQ 89: 犬および猫における臨床症状を伴わない非特異的な肝障害に対しては、どのような治療が推奨されるか?
原因が明らかとならない肝障害に対し推奨される治療のエビデンスはない。学会発表、学術セミナーなどの情報および慣習的に食餌療法、ウルソデオキシコール酸または各種サプリメントが使用されているが(CQ90も参照)、これらの有効性(生存期間の延長や臨床徴候発現の抑制
CQ 88: 犬および猫において病理組織学的に肝臓の空胞変性を認めた場合の原因(鑑別診断リスト)は?
空胞変性が認められた場合の鑑別診断リストは表の通りである(Ettinger, 2017)。肝臓の空胞変性は、肝臓以外の疾患を含む様々な疾患により肝細胞が障害を受けた結果として生じるため、空胞変性の所見から原因疾患を特定することは困難である(Ettinger, 2017)。参考文献E
CQ 87: 無発情の猫に対して薬剤を用いて発情を誘起させる方法は?
ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(eCG:100-150 IU、IM、1回)や卵胞刺激ホルモン(FSH:2mg、IM、発情誘起まで3-7日間)の投与が報告されている(Ettinger, 2017、Wiebe, 2009)。ただし、これらの製剤を過剰投与することにより、卵巣が過剰刺激に刺激され、過排卵、嚢胞性子
CQ 86: 猫では視力の消失に伴い無発情が誘発される可能性はあるか?
視力低下と無発情の関連性については不明である。雌猫では実験的に人工光により日照時間を延長すると、約45時間後に発情を誘起することができる(Michel, 1993)。このような理由から、雌猫の失明と無発情との直接的な関連を示す報告はないものの、失明し光周期を感知でき
CQ 84: 猫の問題行動に対して用いられる薬剤には(治療)どのようなものがあるか?
猫では問題行動に対する下表の薬剤が報告されている(Miller, 2013、Grant, 2014)。 他にもストレスの軽減を目的にガバペンチンなどが使用されるケースもある(van Haaften, 2017)。 ただし、これらの薬剤の有効性を示す根拠はケースレポートまたはケースシリーズな